形成外科・皮フ科医による手術‼
手術は、皮フ科専門医でも、指先が震えたり、
手術に向かない医師も多く、
その場合、傷痕がきれいに仕上がらない場合があります。
当院は、手術の専門、経験豊富な医師が、担当致します。
粉瘤(アテローム)
粉瘤とは、皮膚の下にできる良性腫瘍です。真ん中に黒い点(コメド)が見られることもあります。
皮膚の下に袋ができて、その中に角質(垢)や皮脂などの老廃物がたまって徐々に大きくなっていきます。
原因
粉瘤の発生原因はわからないことがほとんどです。外傷やケガをきっかけに発症したりニキビ跡でできる場合もあります。
耳の周辺や肩から背中にかけてできやすく、体質的に粉瘤ができやすいという方もいらっしゃいます。
粉瘤の仲間に外毛根鞘性嚢腫や多発性毛包嚢腫があります。 外毛根鞘性嚢腫は、頭部に発生して粉瘤と比べてしこりが硬いです。多発性毛包嚢腫は腕や首、ワキなどに20~30個と多数発生します。マヨネーズのような黄色いドロドロした内容物が中に溜まっているのが特徴です。
症状
粉瘤はかゆみや痛みはありませんが、触るとしこりのようなものがあります。
首や顔など目につきやすい場所は、早めに気が付きますが背中などにできた場合は大きくなるまで気が付きません。粉瘤は自然に治ることはなく、次第に大きくなっていきます。また、独特の臭いを放つので臭いで気が付く場合もあります。
化膿すると腫れや痛みを伴う炎症性粉瘤になります。炎症性粉瘤は、膿を排出することで痛みなどの症状は治まります。化膿した粉瘤は再発を繰り返しやすいのが特徴です。排膿しただけでは、すぐに再発の恐れがあるので、摘出手術を行う必要があります。
粉瘤の臭い
粉瘤は独特の臭いによって気が付く場合があります。臭いの感じ方には個人差がありますが、腐敗した魚や何日も履き続けた靴下の臭いによく例えられています。
皮膚の下にできた袋の中に老廃物がたまっていて、粉瘤を触ったり押し出すことで強い悪臭を伴います。炎症性粉瘤は、外からの刺激がなくても悪臭を放つ場合があります。
炎症が起こっていると、プロプリオバクテリウムという嫌気性菌が増殖してプロピオン酸が産生されることで強い悪臭を放ちます。粉瘤を圧迫して中のドロドロを押し出したり潰してしまうと炎症を起こしたり悪化させる原因になります。粉瘤に気が付いたら、なるべく早めに医療機関を受診しましょう。
粉瘤の手術
再発のリスクが高い粉瘤の治療
粉瘤の手術を受けても再発を繰り返すのは、袋が残っていると考えられます。特に炎症性粉瘤の治療で用いられる切開排膿は、皮下の袋を取り除かないため数か月から1年程度で再発する場合があります。また、摘出手術を行ったとしても袋をきれいに取り除かなかった場合は、再発する恐れがあります。 粉瘤の手術は、クリニックによって手術方法や技術が大きく異なります。手術の際は、粉瘤の治療経験豊富なクリニックを選びましょう。
当院で行う粉瘤の手術
粉瘤の大きさや炎症の有無、できている場所をもとに患者様のご希望を伺いながら最適な治療をご提案いたします。
炎症が起こっている場合は、抗生剤の内服や切開排膿、摘出手術の治療があります。全摘出が可能であると判断した場合は、再発リスクの少ない摘出手術を行います。炎症の程度によっては切開排膿による治療を行い、炎症が治まった後に摘出手術をご案内する場合もあります。
粉瘤治療の特徴
①丁寧な縫合で手術痕が目立ちにくい
真皮縫合は、糸が真皮にかかり皮下で糸を結ぶので結び目が表にでないので一般的な縫合と比べて傷跡が目立たずきれいな仕上がりです。
縫合に用いる糸は、数か月かけてゆっくりと体内に吸収される吸収糸を使用します。
②繊細な操作を可能にする手術道具
拡大ルーペやヘッドライトなどを用いて、良好な視野を確保して安全に手術を行います。
切開や縫合は専用の手術器具を用いて再発のリスクが少なく傷跡が目立たない粉瘤の手術を行っています。
③麻酔で痛みを抑えた治療
手術の際は、麻酔を用いるので痛みを感じることなく治療が受けられます。また、麻酔は極細針を用いてゆっくりと行うので注射の痛みにも配慮しております。
④短時間で負担の少ない手術
小さな粉瘤であれば、5分程度で終了します。大きいサイズの粉瘤も10~15分程度と短時間で手術を行います。
(特に大きいサイズや癒着がある場合は、少し時間がかかることがあります。)
⑤術後のアフターフォロー
抜糸後は、1~3か月ほどテープで固定することをお勧めしております。
肥厚性瘢痕やケロイドの予防、治療が必要な場合などは定期的に診察にお越しください。
手術の流れ
くりぬき法 手術の流れ
STEP01
手術の前に、粉瘤の周囲にペンでマーキングを行います。
STEP02
粉瘤の周りに局所麻酔を注射していきます。炎症を伴う粉瘤の場合は、通常よりも痛みが強く起こることがあるのでしっかりと麻酔を施します。
STEP03
粉瘤の中央部分にトレパン(特殊なパンチ)で穴を開けて、粉瘤の周りを揉みだすと内容物が出てきて容易に取り出すことができます。
STEP04
粉瘤の袋を取り出します。摘出したら穴を反転させて残存が無いかを確認します。この時に、袋の成分が少しでも残っていると再発のリスクがあるので内部に取り残しが無いかしっかり確認していきます。
STEP05
丁寧に縫い合わせていきます。炎症の状態によって、縫合が必要ない場合もあります。
STEP06
術後の注意点などをご説明した後に、抗生剤と痛み止めを処方したら終了となります。
切開法 手術の流れ
STEP01
手術の前に、粉瘤の周囲に切開する部分をペンでマーキングします。
STEP02
粉瘤の周りに局所麻酔を注射していきます。炎症を伴う粉瘤の場合は、通常よりも痛みが強く起こることがあるのでしっかりと麻酔を施します。
STEP03
マーキングした部分にメスで切開を加えて、丁寧に粉瘤を袋ごと剥がしながら摘出します。
STEP04
止血処置をしたら切開部分を丁寧に縫い合わせていきます。
STEP05
術後の注意点などをご説明した後に、抗生剤と痛み止めを処方したら終了となります。
術後の注意点や合併症について
手術後の注意点
赤み
手術後は、赤みがしばらく残る場合があります。通常1~3か月程度で徐々に周囲の色と同化して目立たなくなっていきます。
傷跡の盛り上がり
傷口を修復しようとする働きによって、盛り上がったり触ると硬くなることがあります。3か月程度で次第に落ち着いて半年~1年ほどで平坦で柔らかくなっていきます。
通院
手術からおよそ1週間後にご来院いただき抜糸を行います。
入浴
シャワーは手術の翌日から可能です。
運動
運動の内容や傷の場所によって異なるので術後ご説明いたします。
飲酒
飲酒は血行が良くなって血腫のリスクが高くなります。そのため、手術当日と翌日は控えてください。
合併症
血腫
縫合部分に血液がしみだすと血だまり(血腫)が起こりやすくなります。血腫が起こりやすい場合は、予防としてドレーンと呼ばれるストロー状のチューブを入れたり縫合の仕方を工夫します。
化膿
ごくまれに化膿することがあります。特に炎症性粉瘤の手術の場合は化膿するリスクが上がります。 化膿を防ぐために抗生剤の予防投与をします。炎症が強い場合は、切開手術で一度内容物を取り出してから改めて手術する2段階手術をご案内します。
肥厚性瘢痕・ケロイド
傷を修復しようとする反応で、手術した部分が盛り上がったり硬くなることがあります。通常、半年から1年で平たく柔らかい状態に変化していきますが、長引く場合は肥厚性瘢痕やケロイドとなります。 体質や粉瘤が発生する場所(口周り、耳、お腹の正中部、肩、背中の上部など)によって、個人差があります。 手術後にケロイドの兆候が見られる場合は内服薬や外用テープを使いながら慎重に経過を観察していきます。
飲酒
飲酒は血行が良くなって血腫のリスクが高くなります。そのため、手術当日と翌日は控えてください。
粉瘤手術の費用
大きさ | 費用(3割負担) | |
---|---|---|
露出部 | 2cm未満 | 5,500円(税込)~ |
2cm~4㎝未満 | 13,200円(税込)~ | |
4cm以上 | 15,400円(税込)~ | |
露出部以外 | 3cm未満 | 4,400円(税込)~ |
3cm~6㎝未満 | 11,000円(税込)~ | |
6cm~12㎝未満 | 14,300円(税込)~ |
露出部は、半袖半ズボンで露出している部分(頭、首、顔、膝や肘から先にかけてなど。)です。
半袖半ズボンで隠れる部分は非露出となります。足の裏は非露出部となります。
※診察料、検査料、お薬、テープ代はこちらの金額に含まれておりません。