トリガーポイント注射

痛みの原因は「静」と「動」

平成22年度、同25年度の国民生活基礎調査における頻度の高い自覚症状では、男性の 1位・2位が「腰痛」「肩こり」の順に並び、女性の場合は1位「肩こり」、2位「腰痛」、3位「手足の関節痛」(男性5位)となっているほか、男性通院者の5位、女性通院者の2位が「腰痛」を主訴としていることから、すっかり国民病といえる状態が定着してしまいました。

時に重症化するこれらの痛みの原因を究明するうえでキーワードとなるのが「トリガーポイント」です。筋肉へ負荷がかかると局所的に筋肉が拘縮し、さらに負荷が重なることで血流が減少して老廃物が蓄積され発痛物質を産生し強い痛みやこりを発します。この痛みやこりがもっとも強い部位(筋・筋膜性疼痛症候群に見られる特徴的な圧痛点)、文字通り痛みの引き金(トリガー)となるのがトリガーポイントです。この筋肉への過度な負荷は、長時間同じ姿勢でのデスクワークなどの「静」の状態でも、逆に筋肉を局所的に酷使する「動」の状態でも筋膜に癒着が起こり発症の原因になると考えられています。

東洋医学の「ツボ」とも一致する圧痛点「トリガーポイント」

東洋医学の物理療法などでよく見聞きする「ツボ」。これは“気”の流れる道を指す「経絡」の概念に基づき、経絡に沿った「気・血・水」の滞りやすい部位を「経穴」(ツボ)として捉えたもので、全身に1,000カ所以上も存在するとされています。この経穴には周辺部からの神経末端が集まっており、鍼・灸などの刺激で気・血・水の滞りを解消するのが東洋医学で実践されている治療法です。

この経穴とトリガーポイントは高い確率で一致(約71%)すると報告されています。ただし相違点もいくつかあり、その特徴的なものの一つが「関連痛」の発症です。トリガーポイントは圧迫・加熱・冷却などの刺激により、神経の走行とは無関係の離れた部位に筋膜の連鎖で痛みを引き起こすとする説があります。つまり、トリガーポイントは、痛みやこりのもっとも強く感じるしこり(パチンコ玉~ウズラの卵大)で、かつ刺激によって痛みが放散する特徴を持つ部位であるということがいえます。

痛みが痛みを連鎖させる悪循環

トリガーポイントを放置し、関連痛が生じ始めると、痛みの領域の筋肉が影響を受け、新たなトリガーポイントが形成され、さらに関連痛が生じると三次的なトリガーポイントを生むことになります。痛みの放置が新たな痛みの呼び水となって連鎖を引き起こし、慢性化を招くわけです。また、重症化すると、トリガーポイントに直接関わらない日常の動作だけで激痛を感じたり、全身の痛みや、骨格が変形してしまうなどのケースもあります。ですから、トリガーポイントの治療法は、関連痛の概念を前提としたものであることが重要になるわけです。

トリガーポイント注射(TP注射)

トリガーポイント注射は、圧痛点であるトリガーポイントに局所麻酔薬、あるいは局所麻
酔薬局所を主とする薬物を注入することで除痛する治療法です。この注射によって麻酔薬が効いているのは1~2時間程度ですが、その効果が持続し、かつ慢性化を防ぐことが期待できることとして、以下の2点があげられています。

  • 局所麻酔薬で痛みそのものを感じなくさせ、脳への痛みの信号を遮断する。
  • 神経の興奮を鎮め、血の流れを回復させることで発痛物質を洗い流し、同時に痛みの悪循環を断つ。

ちろん、トリガーポイント注射は痛みの原因に働きかけるものではありませんが、1回から数回の注射で「痛み」~「血行障害」~「筋肉の拘縮」の悪循環を断ち切りことができています。

注射そのものの痛みには個人差があると思われますが、トリガーポイント注射では非常に細い特殊な針を使用し、刺す深さも浅いために、ほとんどの方が予防接種よりも楽とおっしゃいます。

注射の場所

トリガーポイント注射の場所
・ポイント A に注射すればほとんどの肩こりに効果が期待できます。
・圧痛点がポイント B または C の周辺である場合はこれらのポイントに注射します。
トリガーポイント注射の場所
腰部に圧痛のある患者さんにはポイント A
トリガーポイント注射の場所
ヘルニア、脊柱管狭窄などの坐骨神経痛の 症状のある患者さんにはポイント B
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